NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。

大打ノボルの秘められた黒い意思/運命の舞台、九州へ
ブラック&スマート!痛快な絵図⑤



福岡県内北九州市内の繁華街…。
亜里奈と一夜を共にした翌日、大打ノボルは三貫野ミチロウのセットで球磨黒組の御園と居酒屋で面識を持った。

「…ほー、坊主、ヨコハマからか…。そいで、なんじゃ…、あっちじゃあ東龍会の子会社にかわいがられてるってか?」

「ええ、まあそんなとこです。そこで、昨日送りの車に乗せた女が、どうやら例の”なんちゃん”で下っ端さんやってる輩と”あのーそのー”のようで…」

「おお…、オマエみたいな二枚目にスカイラインで送るられりゃあよう、盛りのついた夜のねーちゃんはいろいろしゃべるわな。アハハハ…。でよう、何を聞きよったんよ、オマエ?」

生粋の九州ヤクザ、御園はさりげなく直球で探りを入れていた。

何しろ、”用件”は三貫野からはっきりと伝えられていたのだ。
仇敵、関西をバックに着ける南洲一心会関連のターゲットネタがらみだということを…。

...


「…はい。女房に尻尾振ってバイバイされた”なんちゃん”のチンピラさんには、一泡吹かせたいと…。この際、”クマさん”のお力借りてでもってと…、そういうこってす。コトが済んだら、オレのグループでなんちゃんの店からはトンズラさせる手筈も用意しています。そのオンナ関連の雑用は、コトが済んだ後も一切、ウチらで完結できます」

焼酎をロックでグイグイの御園は、浅黒い年期入りの日焼け顔を微妙に紅潮させて時折、グラスをテーブルに叩きつけるようにおいて、指を鳴らしていた。

”フン!何ともわかりやすいや、田舎のヤクザは…”

この時のノボルにとって、御園のリターンはデジャブの域に達していたのかもしれない。

「…兄ちゃんよう、ひとつ聞きたいんやが…。たかが送りで知りおうた女に、なんで仲間を動員してまで抜けさせるんだ?」

「その女には、こっちのネットワークで恩返しを誓ってもらいましたんで。いわば、オレらガキグループの勢力拡大に向けた先行投資です。いやぁ…、九州女は若くても一本スジが通ってる。感心しましたよ、御園さん…」

「ワッハッハッハー…、そりゃあなあ、九州の女はなんといってもごっつかよう。…よっしゃ、大打とか言ったな!たしかに我ら界隈での事情は一新会との”ご縁”、需要ありってな。兄ちゃんの誘導、組に持ってくっちゃ。ふふ…、うまく行けば、お互いうまい酒が飲めっからよう…」

”九州はいい。どくろでハイセンスなアンニュイ具合が滲み出てくるようで。はは…、アンバランスなホット&クール加減も、オレにはしっくりくるしな。ここには長く居たくなってきたわ…”

ノボルは絵にかいたようなコトの進捗に、どこか俄か黄昏心も抱いていた…。