大打ノボルの秘められた黒い意思/運命の舞台、九州へ
ブラック&スマート!痛快な絵図③



「…このホテル、いいでしょー?リッチインってさ、ここらの若モンにはステータスなのよ。リッチにインよ。どこによーってね?ハハハ…」

亜里奈はコトを済ませ、ベッドの隣でタバコを咥え訝し気な顔をしてるノボルの左腕を抱えてはしゃいでいた。
持ち前の開けっぴろげさ全開で…。

「それで…、いいんだな?こっちのアクションはそういったことで…」

「いいわ。うまくやって。”あの人”には一矢報いたい…。ここの気持ちが一義よ。その後は、ゼリアーノを辞める。それでこっちもいいのよね?私の上京の途、あなたに託して…」

「正確には”あなた達”だ。お前が将来的にオレ達の”協力者”としてこっちの輪に食い込んでくれるんであれば、全面的にバックアップしてやる。まあ上京したって、普通に暮らしてくれればいいんだ。あっちで夜の商売続けようが、OLに収まろうが、コスプレでちゃらけようが。好きな男が出来て結婚ってことになればそれ、すればいい。だが、こっちの協力者ではいてもらう。”それ”が条件だ」

ここで二人は向い合って、じっと目と目で語り合った…。


...


「…うん。でも、仮にその結婚ってことになったら、プライベートは除くってことでいいんよね?…悪いけど、そこはしっかり確認しておきたいんでさ…」

「ああ。コアな夫婦間や親子、家族間、それに極めて親しい友人や恩人等は我々への情報提供対象から適用除外で構わない。…いいか、オレ達のモットーはスマートかつブラックだ。そのスマートさに欠けるやくざ連中が出来ない”仕事”を手掛ける新しい時代のマーケットで主導役となる…。それがオレ達の目指すロードなんだ」

「私、難しいことは分からない。でも、さすが都会人のセンスは違うよって、なんかときめくわ~」

「オレもときめいてるよ。なにしろ、九州で抱いた最初の女なんだ、お前は」

ノボルと亜里奈はこのリッチイン901号室で、明け方4時まで抱き合い、語り合った…。
そして、しっかりとコトの”手筈”も交わし合った…。