その14
”来たのか、麻衣…‼”
ノボルに”訪れたもの”は、麻衣が自らの命と引き換えでこの世に残した、好敵手への”反撃”だったのだろうか…。
彼の体からは、すでにドクドクと赤黒い液体が溢れんばかりに零れ落ちている…。
この時…、彼の意識は二つが同時進行していた。
今、目の前で刃物を刺している男と、その斜め後ろで立っている黒いサングラスをかけたごっつい体の男…。
まず、その二人が、自分を殺しに来たことはすでに理解を得ていた。
”何かしゃべってるな…。オレも何かを答えてるようだ…。口をガムテープでふさがれてるのにな…。会話、成立しているのか…”
”麻衣…、もうすぐそっちに行くことになりそうだ…。この世での決着は、お前が見たままで判断しろ。オレはそっちに行った後、お前に聞くぞ!オレのこと、よく見ておけよ…”
...
ノボルの感覚は、麻衣への心の語りかけと、トイレで自分をひたすら殴りつける男から与えられる耐えがたい激痛が交錯していた…。
しかし、サングラスをとったその男が殴ることをやめ、トイレの床で動けないまま大の字になってる自分と目があった瞬間、その男が自分を殴りつける直前に発した言葉が脳裏に響いた…。
「…”ここから”は、お前が殺した、オレの嫁になるはずだった本郷麻衣と共にいく。お前のような男は楽に死なせん…」
そして再び麻衣に向かって語る意識へと立ち返ると、ノボルは心の中で微笑を浮かべ、麻衣に語りかけた。
”そういうことになったぞ。お前との決着…、オレ、逃げなかったんだよな‥。麻衣…”
この夜、大打ノボルはそのトイレで絶命した。
...
まだ30代前半でのそのあっけない死は、比類を見ないNGなきワルにとって、果たして本当に志半ばのものだったのだろうか…。
そんな彼への評価は、後の世の”業界”で二分され、長く語り継がれていくことになる…。
しかし…、あの時…。
どす黒く腫れあがって、生を失した直後のハマのドライガイ、大打ノボルの表情は、確かに笑顔だった…。
『ヒート・フルーツ/特別外伝』~黒きアナザーストーリー
『NGなきワル』
ー完ー
”来たのか、麻衣…‼”
ノボルに”訪れたもの”は、麻衣が自らの命と引き換えでこの世に残した、好敵手への”反撃”だったのだろうか…。
彼の体からは、すでにドクドクと赤黒い液体が溢れんばかりに零れ落ちている…。
この時…、彼の意識は二つが同時進行していた。
今、目の前で刃物を刺している男と、その斜め後ろで立っている黒いサングラスをかけたごっつい体の男…。
まず、その二人が、自分を殺しに来たことはすでに理解を得ていた。
”何かしゃべってるな…。オレも何かを答えてるようだ…。口をガムテープでふさがれてるのにな…。会話、成立しているのか…”
”麻衣…、もうすぐそっちに行くことになりそうだ…。この世での決着は、お前が見たままで判断しろ。オレはそっちに行った後、お前に聞くぞ!オレのこと、よく見ておけよ…”
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ノボルの感覚は、麻衣への心の語りかけと、トイレで自分をひたすら殴りつける男から与えられる耐えがたい激痛が交錯していた…。
しかし、サングラスをとったその男が殴ることをやめ、トイレの床で動けないまま大の字になってる自分と目があった瞬間、その男が自分を殴りつける直前に発した言葉が脳裏に響いた…。
「…”ここから”は、お前が殺した、オレの嫁になるはずだった本郷麻衣と共にいく。お前のような男は楽に死なせん…」
そして再び麻衣に向かって語る意識へと立ち返ると、ノボルは心の中で微笑を浮かべ、麻衣に語りかけた。
”そういうことになったぞ。お前との決着…、オレ、逃げなかったんだよな‥。麻衣…”
この夜、大打ノボルはそのトイレで絶命した。
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まだ30代前半でのそのあっけない死は、比類を見ないNGなきワルにとって、果たして本当に志半ばのものだったのだろうか…。
そんな彼への評価は、後の世の”業界”で二分され、長く語り継がれていくことになる…。
しかし…、あの時…。
どす黒く腫れあがって、生を失した直後のハマのドライガイ、大打ノボルの表情は、確かに笑顔だった…。
『ヒート・フルーツ/特別外伝』~黒きアナザーストーリー
『NGなきワル』
ー完ー



