NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。

その6


それから5年が経過した…。

「…武次郎、坂内親分が犬飼さんへのプレゼンには、お前を同行させたいと言ってる。神戸に行く気あるか?」

「折本さん…。犬飼さんとなると、こっちは兄貴ってことじゃあないと量りがとれないでしょう?」

「ふふ…、一昨年の俺と亜里奈の結婚式ではよう、犬飼さん、お前と会って体格が瓜二つってんで、親近感を持ってくれてるんだ。この数年で東龍会とチーム大打のシノギは右肩あがりだ。地元の横浜はノボルに任せ、お前は対外面で出張って行って欲しい。これは東龍会の意思でもある」

「なら…、この話、兄貴にはもう入ってるんですね?」

「いや、タカハシに相談したら、まず本人にってんでな。お前が乗り気じゃあねえんなら、それで犬飼さんとのセットはなしさ」

「…」

...


「なあ、武次郎よう…。モブスターズってのは、所詮、駆け出し段階での理論だ。お前らもだ、ここまでのしあがってくりゃあ、それぞれが頭一つ飛び出そうって気概のあるなしで気運が大きく左右する。何しろ、これからはお前がどんどん出て行かねーとな。お前のビジュアルはいい。犬飼さんも高く買ってる。お前にその気があるなら、ノボルにはタカハシがうまく繕うさ」

「折本さん、この際だ。はっきり言って下さい。坂内さんは、兄貴のどこに問題ありとしてるんです!」

「あのよう…、そこんとこなら、お前ら3人、皆承知だろうよ。今さら俺の口から言わせて何になる」

「…本郷麻衣をまだ吹っ切れないということですか?」

「そうなるだろーが、どう見ても」

「…」