NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。

その4


本郷麻衣は、大打ノボルの”期待”を裏切らなかった。
しかしそのことで、無情にもノボルは、耐えがたい虚無感を自らに植え付ける結果をもたすのだったのだ…。

...


”麻衣…、オレは悲しいぜ…。可能なら、オレの見切ったお前の弱点が誤りであってもらいたかった。ないしは、お前がそれを克服して欲しかった。残念だ、麻衣…”

片耳の衝撃は、表向きでは、”関係者”にはさほど反応を示させなかった。
それは意外なほど…。

むしろ、あの危険極まりない存在と化した本郷麻衣という17歳の少女を見事、この世から葬りえたものだという事実が、”関係者”へ一定の安堵感と達成感を与えたようだったのだ。

そんな中、チーム大打のリーダーで、麻衣抹殺ミッションの功労者たる大打ノボルだけが、ひたすら水を差す存在となって行く…。
皮肉にも…。

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本郷麻衣の殺害オぺレーションは実際、東龍会と田代組だけならず、関東の有力組織らからも高い評価を得た。

なにしろ、関東内の有力組長クラスは皆、大打グループと東龍会の見事なパートナーシップには、大いに唸っていたのだから‥。


ー以下、関東直系組長クラスのヒソヒソ話ー

”確かにパーフェクトとはいかなかった。しかし、相和会の幹部と婚約を公にして関東との架け橋となった、あの娘を殺しても、相和会と伊豆の明石田組、それに関西からはとりあえず音無しを得てる…。きっと、見えないところで、坂内さんは何かを仕掛けてるからだ”

”言えてるな。だが、まずもっては、テレビのワイドショーでああいった世論を誘導できたナビゲーションを殺害オペに盛り込めたのがすげえ。そこを読み込んで田代組との連携でだ、気脈を通じた関西の実力者たち、それに相和会に連なるそれなりの人物ともコンタクトを交わしてるようだし。それを以って、相和会や親相和会の連中にプレッシャーを与えてるんだ。さすがだな、坂内さんの手腕は。それに大打とかって、未成年の娘も躊躇なく殺れるガキの気概も…”

”だが、これで終わりはないだろうが。今は平静を保っていても、いずれは今回の娘の件で、総括・決着という場が訪れる。果たしてその時期だが…、カギはどっちが次をぶっ放すかだな…”

”俺は坂内ー大打サイドだと思う。おそらくは死んだ相馬が見染めていた、もう一人の元女子高校生…”

”じゃあ、坂内さんはここで収まらず、更なるヒットで相和会を追い詰めるってのか?”

”いや、俺の見立てじゃあ、もう一人で一緒くたにする狙いがあるんだろうとな…。そのことによって、本郷麻衣を殺られたリベンジのディフェンスができると読んでるのさ”

ヒソヒソ話は未成年の少女の死を巡り、異様な盛り上がりを見せていた…。