その2



「ノボルの様子、問題ねえんだな、折本…?」

「はい…。今んとこ、あの娘にちょっかいはねえようっすよ。亜里奈にも含んで、久々にニャンニャンさせたんですが、カマかけもクリアってとこです」

「…お前よう、熊本から水揚げさせたその女に、ノボルのリトマス試験紙役をキャスティングしたってのか?」

「はあ…、結果的にそう言うことになりますかね…」

「このタコが!そんな気の利いた器用な芸、お前見たいな無粋者にできるかよ!タカハシか…?」

「…ええ、そんなとこっすね。はは…」

「…」

...


「折本…、”そういうこと”なのか、ハマのモブスターズ4人は?」

「いやあ、ドン臭い無骨もんですから…、そう詳しいことは…」

「バカヤロー‼すっとボケんなって、このどアホー!」

「ひい…、すんません…」

「…全くよう、いつまで手間掛けさせんだ、テメー。…タカハシの”その意”はよう、ヤツだけで留まってんのかよ、おい!」

「今んとこは…」

「椎名は”外”なんだな、今は?タカハシ単独…。そういうことでオレにお前が耳に入れた。それでいいんだな⁉」

「はあ…、その通りということで結構です」

「うむ…。そうだな…、今度、その女を本格的に使ってみよう。昔よう…、赤羽で一時ハマってたクラブに矢島もよく顔出しててな。一時期ホの字だった女、その亜里奈とかって九州女とちょっと似てるんだ。確か夢乃とか言ってたな。”芸達者の女”なら、そろそろネームチェンジも面白い。タカハシにはその辺、一度意見を聞いてみたい。いいな、折本…」

「承知しました…(薄笑)」