NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。

その3


田代:…確かな情報じゃあ、建田は地上げ事業でエライ収益を上げてるらしいからよう。組内じゃあ、さぞ鼻息が荒いだろうよ。

坂内:まさしくだな。建田派としては、当然、血を流すだけで組を発展させてると勘違いしてる時代遅れどもには反感を持ってる。こっちが稼いだ銭でカチコミだろうとな。

田代:なら、武闘派の矢島サイドに言わせればだ、血を流す度量もないもんはゼニ稼いで組に貢献すんのが当然だろうがとなるか…。であれば、そこの摩擦、ますますってことだな?

坂内:確かにあちらさんの中は、そんなとこでぐつぐつと煮立ってるだろう。だがなあ…、俺達はここで慌てちゃあいかん。終戦後ずっと、”大手”を引っ掻き回してきた町工場の土方はよう、まだ目ん玉が黒いんだ。あくまで、中長期的な視野で踏ん張ろうや。ここは現状を注視しながら、機は逃さずってことでな。

田代:ー無言で頷くー

坂内:何しろだ。対相和会に於いては、俺達二人でこれからも業界のイニシアティブをとる。そして”次”へと進む…。その至近距離にいるんだ、我々は…。

田代:相変わらずアンタは美味しいことを言うな(苦笑)。まあ、長い仲だ、それには乗るつもりさ。関西だってこの”吉報”聞いてよう、早晩動いてくるだろうし、そっち方面の注視も要する。とにかく、足並みを揃えてうまくやろう。

...


坂内:ああ…。関西も相馬の病状は周知してるだろうから、むしろこっちよりも、連中の内部に手を突っ込むのは早いかもしれん。やはり、西の現状把握は欠かせないな。関東全体というより、俺たち独自のアンテナでも…。

田代:同感だ。そうとなればだ…、今回の件を受けて、”もうひとつ”の動きはどうなんだ?

坂内:ハハハ…、どうやらアンタ、そっちの方が気になってたか。まあ、慌てなさんな。一両日中にも”あっち”へ出向いて、星流会の諸星と大打ノボルには直接、今後のことを話してくる。その後、そっちとはもう一度な…。

田代:おお、わかった。それで…、遣わすのは折本あたりか?

坂内:いや、今回は俺が直に出向こうと思ってる。

田代:そうか…。では、ご苦労だが頼む。まあ、土産話を楽しみにして待ってるぜ。

坂内:了解した(薄笑)。


数日後、坂内は東京埼玉都県境へ直接足を運び、諸星と大打ノボルそれぞれとコアなミーティングを持つ。
しかし、そのわずか1か月後には、都県境のガキ界隈では新たな動きが出る。

それは坂内を大いに驚かせることになり、即大打との電話会談に臨んだ。