NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。

その6


「…つまり、結果的に相和会はテリトリーを侵さない範囲でなら、ガキを挟んだシノギ吸い上げのスキームとして、”このカタチ”で認めことになる」

”凄い!諸星会長は見えないところで実をしっかりと手中にしたんだ…”

「さらに、砂垣には然るべき時期となったら、諸星のバック付きで都県境に復帰させることも相和会は呑んだそうだ。いわば暗黙で、諸星は相馬と取引できてたんだ。おそらく、諸星は長い相馬との”付き合い”で、今般の女子高生抱え込みは、相馬特有の遊び心、思いつきの奇行として見切ったんだろう。まあ、そういうこったなら、親会社の東龍会もだ、トータルで考慮すりゃあ、それなりにメリットが見込めたんでな。それで今回は了とした」

”ふう‥、紅丸が去った後の都県境再編ムーブメントには、裏舞台でこんなやくざ同士のやり取りがあったのか…”

...


しかし、ノボルはふと疑問が頭に浮かんだ。
彼はちょっと迷ったが、受話器の向こう側にいる坂内にぶつけてみた…。

「あのう、坂内親分…。今の話を聞いて、どうしてもわからないことがあるのでお聞きしたいんですが、時間大丈夫ですか?」

「おお、時間はいい。何でも聞けや」

この日の坂内は機嫌がよかったせいか、ノボルの問いかけには快く応じた。

...


「やや失礼な言い方かもしれませんが、諸星会長と坂内親分は、やくざ組織としてメリットなり”実”を得たから合意したと思うんです。当然ながら…」

「ああ、そうだ」

「でも…、もうひとりの親分である相馬さんは、今回の水面下での合意事項を今伺った限りでは、こと組織としてのメリットはそんなに確保できていない感じがするんですがね」

「…」

坂内は大打ノボルの聞きたいことが読めていたようだ。