その10
「…しかも、すでに諸星さんはその予備実験で、予想されるリアクションを確かめています」
「タカハシ!それって、黒原が他界したあとの、指チョンの件を言ってるのか?」
ノボルのハイテンションにもタカハシの口調は変わらなかった。
「ええ、そうですよ。おそらくあの流れになることを予測してた諸星さんは、今後のことを踏まえて、捨て駒の愚連隊を差し出したんでしょう。相和会は、それを業界のセオリーに従って処置を断行した」
”ここのあたりのくだりは、概ね聞いていたことだ。諸星さんの使う愚連隊のポジションなら、相和会としては、やくざ世界のルールを適用する…、といったサインって理解してるが…”
...
「…他方で、相馬さんは諸星さんがよりシロート色のガキを抱えて新たなスキームを作る構想は承知してた立場として、その場に引きこんだガキに遣いをさせてます。それは、今度はそいつら取りこんでやってみなよというメッセージと見ていい」
「うん…、東龍会もの暗黙は相馬ー諸星相互間で交わされたと見ていたな。でもよう…、そうだとして、その後チョイスされた砂垣と愚連隊で、どこがどう大きく違ってくるんだろって疑問はあるぜ」
「ふふ‥、ノボルさん、ここでカギになるのが、諸星さん自身ですよ」
「はあ…?」
思わずノボルは首を大きくひねった。
...
すると、ここでやっとタカハシが若干の笑みをこぼした。
「星流会の諸星会長は、先ほどアンタが言った通り、これまでも散々、ガキを立てて相和会にちょっかいを出し続けてきた。で、いつも追い返される。これをずっと繰り返してきた訳だが、諸星さん自身にはなんら報復をしていない」
「おお、それはそうだな」
「…相馬さんの”そのなぜ”だかは諸説絶えないらしいが、事実としてのメッセージは明らかでしょう。トータルで見て、諸星さんにはいてもらった方が好都合だということですよ。その好都合は複数でしょうが、その中にはたぶん、諸星スキーム構築を望んでることも含まれると、オレは見てます」
「じゃあよう…、相馬さんは、将来的にガキを使った新たなシノギのマーケット樹立には賛成だったってのか?」
ノボルはタカハシに喰いつかんばかりだった。
それは、異色のカリスマ親分・相馬豹一への、興味を駆り立てて止まない子供のようでもあった。
「…しかも、すでに諸星さんはその予備実験で、予想されるリアクションを確かめています」
「タカハシ!それって、黒原が他界したあとの、指チョンの件を言ってるのか?」
ノボルのハイテンションにもタカハシの口調は変わらなかった。
「ええ、そうですよ。おそらくあの流れになることを予測してた諸星さんは、今後のことを踏まえて、捨て駒の愚連隊を差し出したんでしょう。相和会は、それを業界のセオリーに従って処置を断行した」
”ここのあたりのくだりは、概ね聞いていたことだ。諸星さんの使う愚連隊のポジションなら、相和会としては、やくざ世界のルールを適用する…、といったサインって理解してるが…”
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「…他方で、相馬さんは諸星さんがよりシロート色のガキを抱えて新たなスキームを作る構想は承知してた立場として、その場に引きこんだガキに遣いをさせてます。それは、今度はそいつら取りこんでやってみなよというメッセージと見ていい」
「うん…、東龍会もの暗黙は相馬ー諸星相互間で交わされたと見ていたな。でもよう…、そうだとして、その後チョイスされた砂垣と愚連隊で、どこがどう大きく違ってくるんだろって疑問はあるぜ」
「ふふ‥、ノボルさん、ここでカギになるのが、諸星さん自身ですよ」
「はあ…?」
思わずノボルは首を大きくひねった。
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すると、ここでやっとタカハシが若干の笑みをこぼした。
「星流会の諸星会長は、先ほどアンタが言った通り、これまでも散々、ガキを立てて相和会にちょっかいを出し続けてきた。で、いつも追い返される。これをずっと繰り返してきた訳だが、諸星さん自身にはなんら報復をしていない」
「おお、それはそうだな」
「…相馬さんの”そのなぜ”だかは諸説絶えないらしいが、事実としてのメッセージは明らかでしょう。トータルで見て、諸星さんにはいてもらった方が好都合だということですよ。その好都合は複数でしょうが、その中にはたぶん、諸星スキーム構築を望んでることも含まれると、オレは見てます」
「じゃあよう…、相馬さんは、将来的にガキを使った新たなシノギのマーケット樹立には賛成だったってのか?」
ノボルはタカハシに喰いつかんばかりだった。
それは、異色のカリスマ親分・相馬豹一への、興味を駆り立てて止まない子供のようでもあった。



