NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。

その6


「何しろだ、ノボル…。向こうではあらゆる状況に即応できる身のこなしでいけ。くどいようだが、東龍会とのパートナーの予約席を持ったお前は砂垣と競う立場ではない。…いっそ、ここで頭に入れておいてもらいたいが、これから形を成す諸星ー砂垣のスキームはいわばソフトモデルになるだろう。所詮ユルい。対してオレ達が描いている青写真は、スーパーハード路線だからなあ(苦笑)」

「あのう…、そちらはそれを承知で、関西も注目する諸星ー砂垣に先駆けで実践の場へ送りだしたということですか!」

「そうさ。ヤツらにひと通りのカタチを作らせて、こっちは使えるところだけいただいく。インスパイアさせた完成型をな。そのシステムでオレ達のタッグは走る…」

「じゃあ…、さらに東龍会はそのモデルスキームを関西に売りこむと…」

「フフ…、関東内ではこの国のガキどもが消費者となってゼニが吹き出る泉をシノギの柱にできるスキームの開拓者として、関西へのアプローチも含め、組織内をリードできる…」

「…」

先程までノボルの胸の中に居座っていたモヤモヤは、気が付くとすっかり消え去っていた。
入れ替わって、彼の心は何とも熱くたぎるものが込みあがってきた。


...


「お前たちはこれから、あっちでの駐留を継続させながら、地元の横浜では地盤を拡大させて行け。ただし、目立たぬように、水面下で徐々にな。お前なら心ていることと思うが‥」

「わかりました、折本さん。主だったメンバーと申し合わせして、今月中には都県境に戻ります。坂内会長には、よろしくお伝えください」

「うむ…、相和会の動向はこっちも注視を怠らない。何か少しでも気になる動きがあれば、お互いに情報交換は密にして行こう。何といっても、相和会次第でこっちの行動指針が大きく変動する訳だし」

折本は再度念を押すような口調だった。

「了解しました‥」

「まあ、頼む。…それで、後は別件で一つあるんだが、いいか?」

「ええ、何ですかね?」

「実は…、これは俺の個人的な範疇になるんだが、ノボルには話しておきたい思ってよう。…お前が熊本からこっちに飛ばした亜里奈なんだが…、アレとはいい仲になっちまってな」

”来たかー‼”

ノボルは思わず心の中で指を鳴らし、ほくそ笑んだ。