塩キャラメルは甘くない。




「あの……さっきはごめんなさい!よく確認してなくて…」


と言うと、彼女の顔が優しげにゆるんだ。


「ぜんぜん大丈夫だよ!それにむしろこれは運命なんだから!」


「???」


運命???


と私がはてなマークを頭の上に浮かべていると、彼女は私の両手をぎゅっと握った。


あたたかくて、小さな手だった。


「私、鈴木美海っていうの!お名前は?」


「私は桃瀬芽琉!」


「芽琉ちゃん!よろしくね!」


ぱあっと表情が明るくなる彼女はすごく可愛かった。


ちょっと不思議な女の子だって思ったけれど、この子のことは好きになれそう。


「うん、よろしく…!」


「やった~!!ね、ちなみに気づいてる?」


「え?」


何に…?


「そのスカート、うちの学校のじゃないよ」


私はしばらく無言になる。


「あ…」


彼女の言う通り。私が今履いているスカートは中学の頃になんちゃって制服として買ったものだった。私、一体何回恥ずかしい思いをすれば気が済むの⁉︎