塩キャラメルは甘くない。




「それならいいじゃん。表面上仲良くしておけば」


「…」


嫌だと言おうとしたけれど、できなかった。


鷹良くんはそんな私を見てしばらく黙っていたが、少し口を開きかけた。


「…」


でもその口はきゅっと結ばれ、結局彼は「寝る」と言っていなくなってしまった。







「何それ。ひどいね」


翌日、私と美海ちゃんは相談をしていた。


相談内容は昨日の挑戦結果。


「実際否定できないけど、でもなって思って」


「んーわかる。恋愛ってそうだよね、理由もなく好き!って突っ走ったり、勝手に落ち込んだりするよね…私、大丈夫かな、仁希くんとちゃんとカップルになれるかな…」


美海ちゃんが戸惑っていると、誰かがぽんと彼女の肩に手を置いた。


仁希くんだった。


「なれるよ。だって俺は美海ちゃんのことが好きだから」


「⁉︎」


美海ちゃんが顔を真っ赤にさせてる。かわいい。


って気になるのはそこじゃなくて、もう美海ちゃんのことを好きになったの…?


「だって俺は———」


「おー仁希。ここにいたのか」


タイミング悪すぎでしょ、と怒鳴りたくなるくらい空気の読めない侵入者だった。


「おい、お前…」