「最初はこんなもんだろ」
と鷹良くん。全く気にしていないところが彼らしい。
そりゃ一位を取れるとは思ってなかったけど、それでも…やっぱり悔しい。
私たちの順位は二桁ではあるものの、一位とは程遠い。
今一位を突っ走っているのは———
風船割り一位でもある、さきみくペア。
「いぇーい」
ハイタッチまでまだ交わして、始まってまだそれほど経っていないのに仲の良さがここまで深まるなんて。
「へぇ~!すごいね!」
美海ちゃんが目を光らせてる。
「美海ちゃんだってなれるよ!」
だってあんな優しそうな仁希くんなんだもん。
「そ、そうかなぁ…」
美海ちゃんは俯いた。
「…本当はね、仁希くんとあんまりお喋りできてないんだ」
「大丈夫、私もそうだよ」
「…ほんと⁉︎」
「うん。部屋にいる時も別居してるみたいだし」
「芽琉ちゃんもなんだね。よかったぁ~!」
目を潤ませる美海ちゃんの可愛さは例えようもない。



