鏡の中の自分をじぃっと見つめる。

前髪……変じゃないよね。
ていうか、こんな時のためにメイクの仕方でも覚えてくればよかったかな。

久世くんの周りにいる女の子達に比べたら、やっぱり地味だな、私。
パッとしないっていうか……



「(ハッ、またネガティブにっ)」



っだめだめ、ネガティブ禁止!


『そのままでいいよ、おまえは。』


久世くんだって、前にあぁ言ってくれたんだから。
自分で自分のことを信じないでどうする……っ。

ペチペチとほっぺたを叩いて、「よしっ」と頷いた。
駅のトイレから出て、改札の前で久世くんを待つ。


《もう少しで着く》


本当は学校から一緒に行く予定だったけど、同じグループの人たちから引き止められてしまったらしく。