気が付くと”僕”の目の前には 腹から血を流して横たわる桜木が居た。 「……」 わざわざ死ななくなって 俺を庇わなくたって 別に俺は… 何故だか分かんないけど零れ落ちた涙を 乱雑に手の甲で拭って 余韻に浸ってみる。 別に僕は… 『…死なないのに』 呟いた一言は スーと血なまぐさい空気に馴染み、 どこかへ行った。