「私…病気なんだ…。
いつ死ぬか分かんない。」

唯央くんの気持ちが
私にはよく分かる気がした。

もしどちらかが
死なないといけないんだとしたら私は…

全力で自分を殺す。

あなたの為なら私……

死んでもいいって

そう思ってるから。

「嘘でしょ?」

春くんがそう声を出す。

少し…震えている気が
するのは気のせいだろうか。

「嘘じゃないよ?
昨日から飲んでないの薬……
だから…もう正直限界…。
今も…春くんの顔…よく見えてないんだ…」

ここへ連れてこられて、

荷物も奪われて、

朝昼晩は欠かせない痛み止めの薬を

私は昨日の昼から飲んでいない。

もうすでに…
視界はまるで霧がかかったみたいに

よく見えなくなっていた。