理科室……?

確かトイレの隣だ…

『行けば分かります。』

まるで自分が全てを知っている。

とでも言いたげなその口調に
不安だけがただ募る。

「行きましょう」

春くんがそう声を上げ立ち上がる。

「… 」

正直、
まだ気持ち的に不安定かもしれない神楽くんを
ここに残して立ち去るのは心配だった。

だけど

「行って…?僕はもう大丈夫だから」

そう言った神楽くんは
そんな心配を払拭するかのような
穏やかな顔を私達にそっと向けた。