「嫌、なんですって。」

呆れたように笑った咲来ちゃんは
私の手元に視線を移す。

「嫌?」

「誓ったからって……言ってました」

((「右手の薬指にはめるとね、
‪”‬この人を一生愛します‪”‬って
永遠の誓いを意味するんだって」))

「……っ」

やめた方がいい。

過去のキラキラした思い出に
縋ろうとするのは……

いい加減やめた方がいい。