「いや……、」
「だめ……だった?」
「うん……」

いいなぁ。

すぐ横で繰り広げられる
咲来ちゃんと彼氏さんの会話を
ひたすらに羨ましがった。

いいなぁ。

この人達はきっと、
ちゃんとお互いを
愛し合っているんだろうなぁ。

「みなさんも、ほんとすみません……っ。」

申し訳なさそうに体育館に戻ってくる
澪奈さんと四葉さんの
彼氏さんにも、声をかける。

かけながら少しだけ。

瑠依くんの姿を、探してしまっている私は、
愚かに感じられた。