「そっか、」

そういえば春くんが教室に戻ってきたの
全然気付かなかった。

それほど、
私は爆睡してしまっていたのだろう。

でも春くんの目の下にうっすらと浮かぶ
クマが目に入って、申し訳ない気持ちになる。

「体育館、行く?」

まだ早いけど、と片手を私に近づけ、
腕時計を見せてくれる。

「…そう、だね」