佐野 唯央が出ていき、
守屋 澪奈1人残された図書室。

沢山の本が所々に積み上げられていて、
それら全てにホコリの塊が
まとわりついているのが気に食わず

なるべく視界にいれないように
ただ窓から見える満月を眺めていた。

けれどふと床に落ちていた
1冊の本に視線をやってしまう。

それは
女の子と女の子が仲睦まじく
手を繋いで笑いあっている表紙に

《ずっと、ともだち!!》

そんな題名がデカデカと
書かれている本だった。

澪奈は地の果てまでうんざりとして

「ちっ……」と舌打ちをした。

そして誰も居ない図書室の中そっと呟く。


「…うざ」