「もう〜、笑わないでよ。本当に寒かったんだから」

「ほら、俺のカーディガンでも羽織っとけ」

と、自分のカーディガンを私に渡してきた

「あ、でも龍河くんが風邪ひいちゃうよ?」

「オレ、ブレザーの下にもう1枚着てるから大丈夫だって、ほら」

龍河くんは袖がない方のカーディガンを着ていた

「あ、ほんとだ、隠れててわからなかった」

私たちのクラスは2階にあるから階段を登る

「あ、神村先生だ。おはようございます」

「あぁ、矢島、鼻声になってるぞ」

冷たい風に当たったからかな

「オレのバイクで登校してきたから、鼻声なんだと思いますよ」

「そうです〜」

弁当じゃなかったら学食行ってたのかも

「まぁ、2人とも風邪引くなよ」

「せんせーもねー!」

私たちは先生と別れて自分たちの教室へと目指す