人が沢山溢れかえってるから、私たちはしばらくベンチに座って自動販売機が空くのを待った

「まだ冬じゃないけど、雪降りそうな気がしてきた」

「はは、はやすぎるだろ?でもそれもそうか、曇ってるもんな」

この地方に雪が降るのは12月半ばくらいになってから

みんな寒いのかカーディガンかコート着て登校してきていた

私もなにか羽織ってくればよかったのかな

すごく寒い

「あ、空いたぞ」

「あ、ほんとだ。てか真冬でもないのに鼻が痛い」

私はカバンからお金を取り出すと、自動販売機に入れて、暖かい紅茶を買った

「俺は、緑茶でいいや」

『"俺は麦茶でいいや"』

もう恭平くんは転校していないのに声がダブって聞こえた

「どうかした?」

私は無意識のうちにキョロキョロしてたらしい