ファミレスに行くと、先に到着していた柊希さんがいた
黒色のスーツに身を包んで
あの時の柊希さんの面影は今は全くない
黒の特攻服、金色の髪の毛、シルバーアクセサリーをつけていた時の柊希さんが懐かしく思える
「柊希さん、お待たせ致しました。すみません。突然和桜に行くことになってしまって」
言い忘れていたが、柊希さんも元『狼鬼』だ
何故か代々受け継がれる名前らしい
「いや、大丈夫だ。正直驚いたけど和桜には乃愛瑠が通ってるから何かあった時に助けにいけると思って許しただろ?」
「そうですね」
俺を暗闇から救い出してくれたのが柊希さんだから、俺は未だに緊張する
「あはは、お前のそういう緊張するところ、治ってねぇよな。まぁいいけど」
「あの、柊希さん」
「それより、お前もなにか頼めよ。ほら、メニュー」
そういえば今日は朝から水しか飲んでいないから喉がカラカラだ
それもそのはずだ
季節は今、秋から冬へと変わりつつあるのだから



