「"放課後、一緒に帰ろうって俺から言ったのに約束破ってごめん。

クラスのやつらにとやかく言われたとかじゃなくて、

実は前から決まっていたんだ。

親の転勤で転校すること。

最後の思い出として、

乃愛瑠ちゃんと一緒にご飯を食べたんだ。

俺の事好きでいてくれたのはすごく嬉しかったし、

俺も乃愛瑠ちゃんが好きだった。

両思いだと思ってて浮かれていた。

キスも抱きしめたことも、乃愛瑠ちゃんの温もりを忘れたくなかったから。

中学の時、消しゴム落としただろ?

それから話すきっかけになったよな。

俺はその時に乃愛瑠ちゃんに一目惚れした。

すぐにでも、告白しようと思っていた。

だけど未熟者の俺はできなかった。

だから、せめて遠くからでも眺めさせてくれと、思った。

乃愛瑠ちゃん、長くなったけど、これだけは言わせてくれ、大好きだよ。さようなら"」

私は全文を読み終えると、いつの間にか泣いていたらしく、横から兄が抱きしめてくれた