靴も履き替えて、玄関でずっと恭平くんを待っていたけど、一向に来なくて

このままだと、兄が帰ってくると思い
私は恭平くんに一言LINEを入れると
そのまま家まで歩いた

門を出て舞冬花ちゃんと分かれると、私は俯きながらとぼとぼ歩いていく

「なんで?また放課後って言ったのに」

こんな落ち込むなんて、多分"あの時"以来だ

兄が待ってる家へと急いだ

「乃愛瑠〜、おかえ…り…。えっ?どうした?」

兄は私が帰ってくる10分前には帰ってきてたらしい

「…しゅう…き…」

"おかえり"って最高の笑顔で言いたかったけど、もう顔の筋肉が動かなかった

「乃愛瑠、何があったか知らねぇけど。一人でいたくなさそうだな」

兄の柊希は私の気持ちを察してくれたのか

リビングのソファに座りながら、ずっと慰めてくれた