「そういえば、姫様、帰らなくていいの?」

今何時かとスマホを見てみると、もう夕方5時半を回っていたけど

「今日、帰ってもお母さんも柊希もいないんだよね。だから今日はここに泊まるの!」

それに2人とも帰りは朝だって言うし

「そっか…ねぇ、聞いてもいい?お父さんは?」

あ、そっか。透悟くんには言ったけど、夏葵くん達には話してなかったっけ?

「お父さんは私が6歳くらいの時交通事故で亡くなったの」

「そうだったんだね。ごめんね?変なこと聞いて」

夏葵くんは申し訳なさそうに謝ったけど

「大丈夫だよ。もう前を向いてるから」

「そっか、泊まるんだよね?お風呂はこのドアの向こうね」

「ありがとう!」

私がお礼を言うと、透悟くんに抱きしめられた

『総長?』

抱きしめられてて顔は見えないけど、悲しそうな顔をしている