「好きな人…。わかんない。てかそういう柊希だって、好きな人いるの?会社にいい人いないの?」
私は椅子に両手をついて俯きながら、柊希にも好きな人いないのか、聞いてみた
「俺は、いねぇな。高校の時、狼鬼してる時は彼女いたんだけど、あっけなく振られた」
柊希、自分から話持ち出したのに窓枠にひじを置いてほほ杖をつきながらずっと外ばっか見てる
「そっか、ごめんね?なんか聞いたらダメなこと聞いちゃった」
「別にいいぜ、もう6年前くらいの話だしな」
私が落ち込んでると当然観覧車ががたんと揺れた
「えっ…な…に…柊希?」
なんと観覧車が揺れたのは、柊希が立ち上がったからだった
「しゅ、き?」
「乃愛瑠がさ、もし好きな人が出来てさ、彼氏家に連れてきた時のこと考えたら少しだけ寂しくなっちゃった」
ねぇ、柊希…今どんな顔してるの?
私を抱きしめてるからその顔は見えないけど、雰囲気からして悲しい声をしている



