私は寒いけどセーターを脱いで、ブレザーを着て、机に座った

「乃愛瑠ちゃん、また教科書見せてくれね?」

透悟くん、そんな申し訳なさそうな声を出さなくても見せるのに

「あー、教科書まだなんだっけ?いいよ。ノートもあげるよ。さっき購買で買ってきたから」

私はさっき買ったノートを机から出すと、透悟くんに渡した

「あ、ありがとう…」

ぎこちない返事が返ってきた

私は雄馬くんに会う前に購買に行って、ノートがないか見てきた

ノート選びの時、透悟くんを思い浮かべたのはこの先もきっと内緒

透悟くんに似合うように黒いキャンパスノートを選んで買った

「お兄ちゃんもう社会人で、私にお小遣いくれるんだよね」

給料日の時はすっごい喜びようだから、見慣れてるけど