*2日目*



朝ご飯を食べた。守護神様は人間が食べるご飯はいらないらしい。


「りこ」


守護神様に呼ばれた。


「はい。」



部屋を出ると部屋の前で待っていた。

「さっそく、好きを学ぼう。」


「あ、ありがとうございます。」



「うん。

人間は好き同士だと名前を呼び捨てで呼び合ったりするんだって。

だからさ、僕のこと呼んでみて。」



好き同士だとそんなことするんだ。へー。



でも、呼び捨ては呼びにくいな。


相手、守護神様だし。


不敬罪とかで人間に捕まらない?
大丈夫かな?


「えっと、うい……様」



「えー。呼び捨てって言ったでしょ。」


え、でもすっごく呼びにくいし…



それに呼び捨てで誰かを呼んだことないし…


じろっと守護神様は見てくる。


うぅ。頑張ろう。


「…うい。」



小さく呟いた。

よし、これが精一杯だ。



「うん。これからはそう呼んでね。」


そう言って守護神様、、ういは満足そうに微笑んだ。



「えぇ。

嫌だ呼びにくいのに。」



「そんなこと言わずに頑張ってよ。」


あ、心の声がつい漏れ出てしまったらしい。

ういはくすくすと笑っていた。


「あ、あと敬語も外してね。

好き同士は敬語を使わないことが多いらしいよ。」


えぇ。


好き同士って結構難しいことしてるんだ、

好き同士って大変だな。



「わかりまし、、、

わかった。」



「ふふっ。

ここまでは基本。ここからが本番だよ。」



はぁ?

好き同士って大変すぎない??


するとういはういの手と私の手を繋いだ。



「これは好き同士がよくすることなんだった。」


あたたかい。



人に触れたことはなかった。


ういは人ではないけど、人に触れてもこんな感じなのだろうか。


手を少し動かしてみる。


するとういは少し手に力を入れた。


「逃げないでよ。」


「あ、そういうつもりはなくて…」


つんつんとういの指をつついてみる。


ん。ういも私の指をつんつんとつついてきた。



「ふふっ。」



楽しいな。

こんなに楽しいこと今までなかった。