「……ええ。いつでも、帰って来たら良いわ。この先生まれるだろう、とっても美形な顔をした子供を連れてね。もし喧嘩をしたら、ゲインズブールの姉のところに戻ってらっしゃい。遠慮は要らないわ。そこの、ヴァンキッシュ様。女遊びをして泣かせたら、もう二度と可愛い妹に会わせないわ。それをきちんと、覚えておいてちょうだい」

 美しい姉が鋭い目を向けたので、ヴァンキッシュは両手をあげて戯けるように笑った。

「かしこまりました。未来のお義姉さま。何よりも……僕の出来る限り、妹さんを大事にします。約束します」

 スカーレットは、彼の誓いのような言葉に満足して頷いて、隣のカミーユと笑い合った。