☆☆☆

僕はまたあの夢の続きを見ていた。


広場の中に積もった真っ白な雪。


雪玉のひとつはすでにできあがっていて、それは僕の腰くらいの大きさがある。


我ながら本当に大きな雪玉を作れたものだと関心する。


しかし、夢の中の僕の関心は別なところにあった。


地面に降り積もっている雪がさっきからモゴモゴと、まるで意思を持っているかのように動いているのだ。


その雪の頭上には大木がそびえ立っていて、おそらく木に積もっていた雪がここにラカkしたのだろうということがわかった。


そして雪の下にはなにか生き物がいるということにも。


僕は注意深くうごめいている雪へと近づいた。


ここが都会の慣れ親しんだ場所ならこれほど警戒せずに近づいたかもしれない。


でも、ここは慣れない北の国。


どんな動物がいるかもわからない状態だ。


モゴモゴと動いている雪の手前で足を止めてしげしげと観察していると、雪の中から鳴き声が聞こえてきて、僕は一瞬飛び上がった。


それは今までに聞いたことのない鳴き声で、甲高い、掠れたような声だった。


「な、なにがいるんだ?」