うんと遠く…遥か彼方で就職しよう。
学がまた、地方公務員と結婚させようと仕向けることが出来ないように。
そして、更に言うならば、学がいつかまた危篤になり、帰ってこいと言われたとしても、帰ることが不可能なほどの遠方へ行ってしまおう、と。
加奈子は、密かに職探しを始め、意外なほどあっさり採用された。
家族には「東京で仕事を見つけた」と伝えた加奈子。
その言葉に嘘はないが、実はかなりニュアンスは違う。
東京は東京でも、加奈子の就職先は小笠原である。
フェリーは6日に1便しかなく、そのフェリー移動だけでも丸1日はかかるので、当然ながら、呼ばれてすぐに行ける筈もなければ、いくら不死身のような学も、小笠原まで訪ねてくるのは流石に不可能であろう。
寒がりな加奈子は、嬉々として、常夏の島へと旅立って行った。
学がまた、地方公務員と結婚させようと仕向けることが出来ないように。
そして、更に言うならば、学がいつかまた危篤になり、帰ってこいと言われたとしても、帰ることが不可能なほどの遠方へ行ってしまおう、と。
加奈子は、密かに職探しを始め、意外なほどあっさり採用された。
家族には「東京で仕事を見つけた」と伝えた加奈子。
その言葉に嘘はないが、実はかなりニュアンスは違う。
東京は東京でも、加奈子の就職先は小笠原である。
フェリーは6日に1便しかなく、そのフェリー移動だけでも丸1日はかかるので、当然ながら、呼ばれてすぐに行ける筈もなければ、いくら不死身のような学も、小笠原まで訪ねてくるのは流石に不可能であろう。
寒がりな加奈子は、嬉々として、常夏の島へと旅立って行った。