「ふん、俺はお前を俺の女だと見せびらかせて満足だ」
「へ?」
「来い、一緒に祭を回ってやる。どうせここに来たかったんだろう?」

 一生懸命追いつくことに必死だった私は街に到着していたことに今まで気づかなかった。
 レオのほうへ顔を向けると、その後ろには風船や飾りつけで彩られた門があり、その向こうには皆が楽しそうに屋台のような店を巡って楽しんでいる。
 大人、子供、おじいちゃん、おばあちゃん。
 まさに老若男女問わず祭を楽しんでいるよう……。

「す、すごい……」
「うちで一番でかい祭だからな。今日は祝日で皆はしゃぐ」
「これが……コーデリア国魔法祭……」

 ぼうっと呆けている私の手を取り、レオは屋台があるほうへと向かう。