民衆のリーダーのような人が私のほうにさっと身体を向けると、皆付き従うように同じように向けて言う。

「聖女様、この度は誠に申し訳ございませんでした。どんな罰でもお受けいたします」
「そんなっ! 私の存在が皆さんにとって不愉快であったのならば、私が謝るべきです。申し訳ございませんでした」

 私の謝罪をこれまた恭しく礼をしながら受け取ると、民衆の皆さんはそっと去っていく。

 その場に私とレオの二人になった瞬間、彼は急に怒鳴り出した。

「バカかっ! あれほど外には出るなと言っただろう!」
「申し訳ございませんでした……」

 私は目をぎゅっとつぶりながら頭を思いっきり下げる。
 ああ、これはもう怒られるだけじゃすまないな……拷問? いや、地下牢への幽閉?

「何してる」
「え?」
「行くぞ」
「怒っているのでは……?」
「怒ってほしいのか?」
「い、いえ!」

 街の方へと歩き出すレオに急いでついていくように小走りで駆け寄る。