王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~

「ユリエ、私はあなたが好きです」
「ほえ?!」

 ケーキを口にしていた私に向かって突然愛の告白をするユリウス様。
 その顔は日の光が当たってキラキラと輝いて、まさに王子様だった。
 私はケーキをポトリとお皿に落としてしまって、愛の告白に口をパクパクさせる。

「ユリウス様っ! イレナもいますし、その……」

 そんな私付きのメイドであるイレナは私は邪魔してませんよ、とばかりにそっと顔を軽く背けて涼しい顔をしている。

「私のことが嫌いかい?」

 子犬のように縋る目で見つめられると、なんとも心が痛む。
 私は勇気を振り絞って、ユリウス様に言葉を紡ぐ。

「わ、私も……その……ユリウス様が好きです」
「よかった」