「ユリエ、デートをしませんか?」
「へ……?」

 思わず私はユリウス様の綺麗なお顔を見つめながら情けない声を出してしまった。
 それは、婚約したからそういう仲でまわりは見るのだけれど、でも、その……いきなりというかなんというか……。
 と言いながら私は顔を真っ赤にしてもじもじとする。
 すると、私の手を取ると、眩い笑顔で玄関の方へと私を連れて行く。

「あなたを自由にするとサクラの下で約束をしました。だから王宮の外に出て遊びましょう」
「いいのですか?」
「もちろん、この格好では目立つので少し着替えていただきますが……」

 こうしてユリウス様と私はお忍びデートをすることになった。



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