何度儀式を試してみても私が再び現代に戻ることはなく、薄暗い部屋の中で私とユリウス様は立ち尽くした。

「やっぱり何度やっても戻れない」
「この方法では正しく帰れないということかもしれません」

 ユリウス様のその言葉に私は落ち込んで唇を噛みしめると、そっとユリウス様は私を抱き寄せた。

「ユリウス様っ!?」
「もう一度、もう一度私にチャンスを下さい。必ずあなたの帰る方法を探して見せます」

 そんな切なそうな声で言わないでください。
 あなたのせいなんかじゃない……。

「それと、一つ聞いてもいいですか?」
「──? はい」

 ユリウス様は私の身体をそっと離すと、目を逸らして顔を赤くしながら言う。

「帰る前に言った言葉は本当ですか?」
「帰るま…え……──っ!」

 私はその言葉で自分がユリウス様に盛大に大きな声で告白したことを思い出した。