うぅ、私の馬鹿。
汚れるかもしれない、なんてつまらないこと気にせずに。
やっぱり、履き慣れた靴を履いてくるべきだったのだ。
たくさん歩くことが分かっていて、新品の靴を履いてくる馬鹿がいる?
ここにいる。
って言うか、せめて試し履きをしてから買えば良かった。
しかし、全ては後の祭り。
私は寒さと痛みのせいで、結月君とまともに会話するどころじゃなかった。
あとどれくらいで山頂に辿り着くんだろう?
正直、もう持ちそうにないんだけど。
「…さん。星ちゃんさん」
「え、あ、うん。何?」
寒さと痛みのあまり、私は結月君に呼ばれていることにも気づかなかった。
「ちょっと立ち止まっても良いですか?落ちてる紅葉を拾って、押し葉にしようと思って」
「あ、そ、そうなんだ。うん、良いよ…」
そう言って立ち止まると、結月君は地面にしゃがんで、綺麗な葉っぱを選んでビニール袋に入れていた。
押し葉なんて、優雅な趣味だな。
そう思ったけど、私はそんな悠長なことを考えている余裕はなかった。
はー、いたたたた…。
立ち止まると、痛みは少し楽になった。
その代わり、寒さは倍増。
うぅ、寒い…。動かないと、余計に寒いね。
あぁ、しゃがんで爪先を確認したい。めっちゃ痛いんだもん。
血が出てたらどうしよう。
絆創膏なんて持ってきてないし、手当て出来そうなものと言ったら、精々ポケットティッシュが数枚あるだけ。
これじゃあ、何の防御にもならないよね。
せめてハンカチでも持ってきてればなぁ…。爪先に巻けたのに。
特に痛みの酷い左足だけでも…。
まさかこんなことになるなんて。私、山を舐め過ぎてた。
ハイキングなんて、何も知らないもやしっ子が来ちゃいけないところだったんだ。
身体を手で擦りながら、寒さに耐えていると。
「…寒いですか?」
「えっ?」
いつの間にか、葉っぱ採集を終えていた結月君が。
私の目の前に立って、心配そうな顔でこちらを見ていた。
び、びっくりした。いつの間に。
ってか、寒がってることバレた…?
汚れるかもしれない、なんてつまらないこと気にせずに。
やっぱり、履き慣れた靴を履いてくるべきだったのだ。
たくさん歩くことが分かっていて、新品の靴を履いてくる馬鹿がいる?
ここにいる。
って言うか、せめて試し履きをしてから買えば良かった。
しかし、全ては後の祭り。
私は寒さと痛みのせいで、結月君とまともに会話するどころじゃなかった。
あとどれくらいで山頂に辿り着くんだろう?
正直、もう持ちそうにないんだけど。
「…さん。星ちゃんさん」
「え、あ、うん。何?」
寒さと痛みのあまり、私は結月君に呼ばれていることにも気づかなかった。
「ちょっと立ち止まっても良いですか?落ちてる紅葉を拾って、押し葉にしようと思って」
「あ、そ、そうなんだ。うん、良いよ…」
そう言って立ち止まると、結月君は地面にしゃがんで、綺麗な葉っぱを選んでビニール袋に入れていた。
押し葉なんて、優雅な趣味だな。
そう思ったけど、私はそんな悠長なことを考えている余裕はなかった。
はー、いたたたた…。
立ち止まると、痛みは少し楽になった。
その代わり、寒さは倍増。
うぅ、寒い…。動かないと、余計に寒いね。
あぁ、しゃがんで爪先を確認したい。めっちゃ痛いんだもん。
血が出てたらどうしよう。
絆創膏なんて持ってきてないし、手当て出来そうなものと言ったら、精々ポケットティッシュが数枚あるだけ。
これじゃあ、何の防御にもならないよね。
せめてハンカチでも持ってきてればなぁ…。爪先に巻けたのに。
特に痛みの酷い左足だけでも…。
まさかこんなことになるなんて。私、山を舐め過ぎてた。
ハイキングなんて、何も知らないもやしっ子が来ちゃいけないところだったんだ。
身体を手で擦りながら、寒さに耐えていると。
「…寒いですか?」
「えっ?」
いつの間にか、葉っぱ採集を終えていた結月君が。
私の目の前に立って、心配そうな顔でこちらを見ていた。
び、びっくりした。いつの間に。
ってか、寒がってることバレた…?


