「……」 「……永井 大悟のことは気にするな」 「え?」 「気にするなよ」 私の沈黙から、大悟のことを考えていると勘違いしたらしい。いや、あなたのことを考えていたんです、とは言えずに頷いておく。 「巻き込んでごめんなさい」 「いや、勝手に巻き込まれただけだから」 「でもーー」 「大丈夫だよ、」 再び強い風が吹き、どこからか数枚の葉が飛んできた。 今度は田中くんのフードが外れて、真っ直ぐな瞳とかち合う。 「千咲(ちさき)のことは、俺が護(まも)るから」 静かな声で、真剣な表情で、 田中くんはそう言った。