私はうなだれるようにして、椅子に座り込んだ。


クラスのみんなが呆気にとられている中、私だけは彼のその行動にしっくりきていた。



"田中くんは、助けたいって思う?"

"…俺には関係ないから"


そう言ったじゃん。




あなたは内に秘めたその正義感で、私を大悟から守ってくれた。

きっと、愛ちゃんのことも守ってしまうと思ってたよ。



それでも、

田中くんにとって、

私だけが、"特別"であって欲しいと。

そう思っていたんだ。



愛ちゃんの一大事に、ずるくてごめん。
自分勝手で最低だって、分かってるけど。


助けないで欲しいって、
心のどこかでそう、思ってしまったんだ。



ーーあなたが、好きだから。