

華押/はなおし/エピソードTWO
六畳くらいの、コンクリートの壁と床、中古で買い求めたスプリングがいかれたソファーには煙草の臭いが染み付いてる。春秋も夏冬も煙草は吸わないが「シャーロック・ホームズ」を彷彿させたのが、彼らの購入理由となってる。土足で踏み固められカーペットが、部分的にコンクリートを覆ってる。
春秋がお茶の準備をした簡素なシンクとコンロは、壁で仕切らしきられて、ソファーからは見えない。
画家と夏冬、春秋は向かいあって座り、絵画のタイトルを見ながら会話してる。
それを内住する「コンテ・パステル美術館」は、やはり壁と床がコンクリートで壁に赤外線等のセキュリティシステムが昼夜問わず働いている。
その面積は、田舎と言ってもベッドタウンの学校の体育館並みだ。
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![【黒・中編・画】湖面に写る月の環[今昔擬人化小説]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/142243/nc0rrl7caz-thumb.jpg)

