私、一条奈緒は高校2年生になった。


長い髪を束ねてお下げにすると、度無しのメガネをかけて気配を殺し通学路を歩く。


「奈緒〜!
一緒に学校行こうよぅ〜」


小型犬みたいに私の周りをチョロチョロしているのは弟の風。


風の事は大好きだが、学校に一緒に行く訳にはいかない。



「ご、め……んなさい。
今日は1人で学校に行きたいの……」



そう言った瞬間、私に飛び付いて来た風の衝撃で身体の体制を崩した。



「風。危ないだろ」