ドクンドクンと早まる鼓動。
耳に響いては気分が悪くなっていく。
逃げ出したい。でも、逃げられない。
「答える気はない、か…」
春は小さく何かを呟いたのと同時に
「っ!ちょ、」
私の腕を引いてはズンズン歩いてく。
春は力を緩めないまま私を引っ張り、自身の部屋へと連れ込んだ。
バタン!とドアが閉まった音。
ガチャッとかけられた鍵。
「っ………」
ドアの前には春がいて、もちろん逃げ場はない。
私は完全に逃げ場を失ってしまった。
「あっ、!」
グンッ、と。
またしても強い力で引かれた腕。
身体が前のめりになった私は突如春に投げ飛ばされ、ベッドの上に倒れ込んだ。
ボフッ!と音をたててベッドが軋む。
「………っ」
春はそのベッドに足をかけ、屈むと私の顎を掴んで引き寄せた。
吐息が触れそうなを距離まで顔を近づけて、瞳をのぞきこまれるように凍てついた視線が私を貫く。
(綺麗な顔…)
その端正な面に思わず見惚れてしまうが、
「んっ」
春は、そんな暇さえも与えてくれない。
久々のキスは
とても強引で
苦しかった。



