【続】酔いしれる情緒



想像もしていなかったことが起こって
身体は無意識にも後退ろうとした。

冷たい目を向ける春から。
そしてその写真から。

どうすればいいのか分からなくなり逃げ出したくなった。



「っ……」



けど。



「あっ……」



逃げる前に、掴まれた腕。

グッと引き寄せられる。



「これ、凛だよね?」

「………………」

「なんで男に抱かれてんの?」



頭が上手く回らない。



ただ一つ分かることは、きっと今私が何を言ったって言い訳にしか捉えられないだろうということ。


一ノ瀬櫂のキスシーンを目の当たりにしてショックで動けずにいた私は佐藤くんに抱きしめられた。


どんな理由があれ、抵抗するべきだったと、今ならちゃんと分かる。


けど。



『でも安藤……

見たくない、って顔してたから』



佐藤くんに抱きしめられて……ギュッと抱き寄せられても抵抗も何もしなかったの事実で。



視界が真っ暗に染った時、

ホッと安心してしまったのも事実なのだ。