【続】酔いしれる情緒



(………帰りたく…ないな)



ゴミ箱の蓋を閉めた途端に、心の中でその思いがブワッと広がった。


帰りたい場所。幸せな空間。

そんな場所で、



(……もしも)



離婚したいって言われたら?


…考えただけでゾッとする。


身体がそんな風に反応してしまう理由は
ありえない話じゃないから。

現状、ありえる話、だからだ。


だとすればいつその話をふられるか分からない。

もしかすれば今日。

夕食までに帰ってくる、今日なのかもしれない。



「っ………」



考えれば考えるほど足がすくんで動けない。

寒空の下、今じゃ進んで欲しくない時間は
止まることなく刻々と進んでく。


……嫌なことばかり考える癖を直したい。

春を好きになればなるほど、ポジティブではなくネガティブな発想になっていく。

どうにかポジティブに捉えようとも、今までの春の態度を思い出してしまうとやっぱりポジティブにはなれそうになくて。



(………戻ろう)



暗い気持ちのまま無理に足を動かした。


……ずっとここにいても意味が無い。

時間は変わらず進んでいくんだから。