【続】酔いしれる情緒



交際中なら簡単に別れることが出来るけど、結婚しているなら簡単にこの関係を切れるわけがない。


世間に大きく公表して、結ばれた。


この縁を切ろうものなら

同様に世間へ広まるだろう。



この新聞の一面と同じように、離婚の文字と共に浮気の文字が掲載されるだろう。


そうなればどーなる?


店主が言っていた通り、浮気をしたというレッテルが貼られては、イメージが崩れて仕事が減るに違いない。


春は……そうなることを避けたいんじゃ。



「………………」

「………………」



ちらり。店主からの視線。



「まあ、安藤さんは大丈夫だよ。」



どこを見てそう感じ、そう思ったのか。

何も言っていないのに店主は私に向かってそう言った。



私はというと、


その言葉を真っ直ぐ聞き入れる余裕はなくて



「補充してきます」

「ん? ああ、うん。お願いね」



返答せずにそれだけを告げてその場を離れた。



信じたくない。
違ってほしい。


でも、


そうかもしれない。と、

少しでもそう思っている私にとっては

店主の言葉が異様に苦しく感じたのだ。