世間に勘違いされるのも良くない。
けど、もっと良くないのは春に勘違いされること。
何時になろうと、
私の口からちゃんと説明したかった。
「…それでなんだけど、あれは───」
ただ、送ってもらっただけで。
そう告げる前に春の声が覆い被さる。
「大袈裟だよね〜。たかが男と2人っきりで車に乗っただけなのに」
冷蔵庫からミネラルウォーターを1本取り出した春は喉が乾いていたのか、開けてスグ口にする。
1口、2口飲んでから
「浮気扱いするなんて、ほんと古い考えだよ」
春はどこか遠くを見つめながらそう言った。
だけどスグにその目線が私へと向くと
「ね?」
ニコリ。いつもの笑みを浮かべて言う。
春は橋本とは違って理解者だと思う。
橋本は私に怒った。
だけど春は怒らなかった。
男と2人っきりで車に乗っていたことを『たかが』と言った。
まるで─────問題にするべきほどじゃないといった感じに。



