「週刊誌の記者らは何より人気者の異性関係のスキャンダルを好むんです。当本人に悪気がなくても、ネタになりそうな事なら記事にする。」
「だから……」
一体何が言いたいんですか。
そう告げる前、橋本に遮られる。
「人気俳優の妻である貴方も例外では無いってことですよ。」
「…っ」
「どこで誰が貴方のことを見ているか分からない。世間が一ノ瀬櫂の妻が誰なのか知らなくても、週刊誌の奴らは貴方のことを知ってる。現に一度撮られていますよね?海辺で春と共にいるところを。
その時から……いや、その時よりもずっと前から。
週刊誌は貴方の存在を知っているし、目をつけてる。」
威圧的に私を見るその目。
いつもとはまた違う、橋本の姿。
「一ノ瀬櫂の妻が浮気。そう記事にされ、世間に勘違いされてもいいんですか?」
見られていた。
橋本は、見ていたのだ。
私が佐藤くんと2人っきりで車に乗っていたところを。
だけど橋本は私と佐藤くんの関係を疑っているわけじゃない。
「春に迷惑をかけたくないのであれば、今後騒ぎになりそうな事は控えてください。」
例え知り合いであっても
心を許してはいけないと、橋本はそう言いたいのだ。



