「え…?」と顔を上げた佐藤くんと目が合う。
小さい声で言ってしまったからか、
佐藤くんの耳には届いてないみたいで
「気持ちはすごく嬉しい。…でも、ごめん」
私はこの胸の高鳴りを無視して
断りを告げた。
佐藤くんは分かっていたみたいに眉尻を下げながらも笑顔を見せる。…と。
「こんな所で何してるんですか。」
「っ!……え?」
唐突に聞こえた、聞き覚えのある声。
私達がいるそのすぐ側に、いつも通りのスーツ姿で私をジッと見つめる橋本がいた。
「なんでここに…」
ツカツカと歩み寄ってくる橋本。
その表情はいつもと違って目を細め、なんだか怒っているようにも感じる。
「もしかして……あの人が、安藤の結婚相手?」
「え。違っ」
勘違いをしているらしい佐藤くんに違うと否定する前に
「帰りますよ」
「!?」
橋本はどこか強引に私の手を取っては引っ張ってく。
「ちょっ…!」
ズンズン先に歩いてく橋本に引っ張られながら佐藤くんの様子を伺うも、彼は呆然と私達2人を眺めていた。
話はちょうど終わったところだけど……
……一体、何事?



